糖尿病の合併症

糖尿病は日本において2000万人を超える患者数が想定されている国民病です。糖尿病治療は網膜症、腎症、神経障害といわれる三大合併症に加えて、脂質異常症や高血圧などを伴うことによる動脈硬化性疾患(狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽)など、生命にかかわる合併症を予防し早期発見治療を行うことが重要です。

当院では糖尿病の治療効果が判定できるように、血糖値とHbA1cを当日報告しています。

 

1. 細小血管障害(いわゆる三大合併症)

 (1) 網膜症

重症化すると視力低下や失明などの原因となる合併症です。診断には眼底検査が必要であるため、定期的な眼科受診をお勧めしています。

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 (2) 腎症

重症化すると血液透析(下記)などの腎代替療法が必要となります。血液検査で腎機能の評価することに加えて、尿検査で微量アルブミンを測定することによって早期腎症を診断します。

 (3) 神経障害

糖尿病による神経障害は四肢のしびれや痛み、感覚の鈍さなどが出現します。日常生活に不自由を感じるのみならず、足壊疽の原因となこともありますので早期診断治療が必要です。

 

 

2. 大血管障害(動脈硬化性疾患)

全身を栄養する太い血管が硬くまた細くなることにより発症する疾患であり、糖尿病以外に脂質・血圧の良好な管理と禁煙が重要になります。

 

 (1) 心筋梗塞・狭心症

心臓自身を栄養している冠動脈の狭窄や閉塞によっておこる疾患で、場合によっては突然死の原因ともなりうる生命に関わる最も恐ろしい合併症です。通常の健康診断などでも行われている定期的な心電図チェックが重要です。

 

 (2) 脳梗塞

脳梗塞の初期症状として、急に呂律が回らなくなる、一瞬目の前が暗くなる、箸を無意識に落としてしまう、足に力が入らずふらふらするなどがあります。初期の一過性脳虚血発作では24時間以内に回復しますが、本格的な脳梗塞に移行すると半身まひや嚥下障害などの症状が出ることがあります。

 

 (3) 足壊疽

足の血流障害に加えて、神経障害や足白癬(いわゆる水虫)が原因となって足が壊疽に至ることがあります。重症化すると下肢切断が必要になります。定期的な足のケア(足を清潔に保つこと、深爪をしない、保湿クリームを使う。)が重要になります。足に傷ができた時や気になる症状があればすぐに主治医に相談しましょう。