糖尿病の基本的な治療は食事療法・運動療法・薬物療法です。日常生活の中でこれらを実践していく治療の主人公は患者自身(またはそのご家族)です。当クリニックでは、個々人の状態と意向をよく検討しながら、長くそして良い状態を続けられる方法を模索していきます。
(1) 食事療法
基本は適切なエネルギーの摂取です。食事療法は「食事制限」というイメージが強いかもしれませんが、炭水化物・タンパク質・脂質の三大栄養素の適切な栄養摂取は、血糖管理だけではなく、筋肉を維持し余分な脂肪を増やさないという点で重要です。その他にビタミン・ミネラルの補給も必要です。常勤の管理栄養士による栄養相談を当日受けられるように工夫していますので、お気軽にご相談ください。
(2) 運動療法
最近ではレジスタンス運動である筋トレも注目されていますが、まずは適正体重の維持が重要です。そのためにはウォーキングや水泳などの有酸素運動を週2-3回程度実践することが勧められています。筋肉へのブドウ糖の取り込みを良くする有酸素運動の急性効果が2-3日続くためです。
(3) 薬物療法
2018年現在、わが国で使用できる糖尿病の経口血糖降下薬は7種類あります。それらを適切に駆使して、患者さんの血糖管理の改善を目指していきます。また内服療法では難しい場合や、妊娠や合併症が進んだ患者さんに対するインスリン療法の導入も積極的に取り組んでいます。また週1回製剤のDPP4阻害薬やGLP-1受容体作動薬などより簡便で治療効果の高い選択を目指しています。
当クリニックでは、仕事が多忙などが理由で入院治療が困難な場合、外来でインスリンなど注射製剤の導入も実施しています。